葉 安那

「ロサンゼルスでマラト・ダウカエフに師事したことで、クラシックバレエの基礎を築き、自信を持ってバレエの世界へと踏み出すことができた。」

Anna’s Childhood
2001-

幼少期

カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれ育ち、日本と台湾のハーフ。3歳の時に観た公演をきっかけにダンスへの情熱を抱く。(母が長年抱いていた夢でもあった。)名門校、マラト・ダウカエフバレエ学校でトレーニングを開始し、バレエの美と芸術性を発見する。4歳から13歳までは新体操の選手としても活動したが、怪我を機にバレエに専念。マラト・ダウカエフ氏による厳しい指導は、バレエへの情熱をさらに深め、プロの道を志すきっかけとなった。

Anna's first teacher, Marat Daukayev
マラト・ダウカエフバレエ学校
California Artistic Gymnastics Champion
新体操の大会優勝

「幼い頃から数々のコンクールに出場した経験が、ダンサーとしてのキャリアを続ける上で、自信と精神的な強さを築き上げる助けとなった。」

Dance Life in Europe
2016-

ヨーロッパでのダンス生活

「ヨーロッパでダンサーになる」という夢を抱いていた安那は、15歳でベルリン国立バレエ学校に留学。在学中に、ウェイン・マクレガーの『FAR』やマルコ・ゲッケの『All Long Dem Day』などの作品に出演。これらの貴重な経験を通して、コンテンポラリー作品を踊る際「ダンスを通して身体を表現し、探求する新しい方法」の発見した。留学中、IBstageグランプリ(2019年、1位)、リガ国際バレエコンクール(2018年、3位)、そして2015年のニューヨーク・ユース・アメリカ・グランプリでトップ12入賞など、数々の国際的なコンクールで上位入賞を果たす。

All long dem day (Choreography by Marco Goecke) | Kremlin Gala, Moscow, Photo by silaavvakum
マルコ・ゲッケの『All Long Dem Day』クレムリンガラ(モスクワ) 

「ジュニア・バレエ・アントワープでの経験が、ダンサーとして成長させてくれた。」

Career Beginnings
2019-

プロダンサーとして

卒業後、「ジュニア・バレエ・アントワープ(バレエ学校とプロのキャリアの架け橋となる若手ダンサーのための団体)」に入団。この経験は非常に貴重なもので、ダンサーとしての道を切り開くために必要な知恵と方法を得ることができたと安那は語る。多くの振付家の作品を踊ったが、特にデビッド・ドーソンの作品『Metamorphosis』で直接指導を受ける機会は、芸術を共に創造し、ダンサーとして成長するきっかけとなった。

Metamorphosis (Choreography by David Dawson)
デビッド・ドーソンの『Metamorphosis』
National Ballet of Brno
2021-

ブルノ国立歌劇場バレエ団

2021年、ブルノ国立歌劇場バレエ団へ入団。入団以来、『ラ・バヤデール』のニキヤや『ドン・キホーテ』のキトリなどの主要な古典作品の役をデビュー。古典バレエに加え、イリ・キリアン、ナチョ・ドゥアト、ヨハン・インガーといった著名な振付家の作品にも出演。入団から3シーズン目にはソリストへと昇格。ブルノの舞台以外でも様々なバレエガラに出演、そして2025年カプリ賞を受賞。

Don Quixote – Kitri, Photo by Martin Divísek
『ドン・キホーテ』のキトリ Photo by Martin Divísek

「ダンスは、他の芸術と同じように常に進化している。だからこそ若いダンサーがその成長と変化を体験し、受け入れることがとても大切だと私は信じている。」

Spotlightlink
2025-

Ballet Spotlight

安那の活躍は、舞台上にとどまらない。日本でのルーツに恩返しをするとともに、技術や「スポーツ」としての側面が重視されがちな現在のバレエ界に新たな視点をもたらすため、日本で夏のワークショップ「Ballet Spotlight」を立ち上げる。世界中で活躍するプロダンサーから学びながら、若いダンサーたちがバレエの芸術的な側面を探求し、安心できる場を提供。更に「Ballet Spotlight」をワークショップだけではなく、ダンサーたちがインスピレーションを受け、挑戦し、そしてダンスを愛する気持ちを再確認できるコミュニティへと成長させるという目標を掲げている。

Ballet Spotlight
Ballet Spotlight 夏のワークショップ

「多様な文化の中で育った経験から、私は一人ひとりのダンサーが自分に合った道を見つけるためには、様々な人々、場所、文化から学び、経験を重ねることが大切だと思う。」